白衣について

白衣の機能性

2019年03月13日 16時07分


医師向け、ナース向けともに、白衣はポリエステルや綿で作られていますが、近年は特殊加工をほどこしたり、
 いろいろな特性を持った繊維を用いたりすることにより、さまざまな機能性を持つものがリリースされています。
 人の生命を預かる仕事の際に身につけるものですので、動きやすく適切な機能性をそなえたものを選びましょう。
 
立体裁断
 繊維を布に形成する時点で、白衣のパーツを身体の部位ごとの形にあわせて立体的に織り上げたものを使います。
 身体にフィットして着心地のよい白衣になります。
 
形状記憶
 形状記憶素材を織り込んだ繊維を用いた白衣を、縫製後に高温処理して形状を記憶させます。
 しわになりにくく、且つ、折り目が消えることのない白衣にできます。しわになっても簡単に伸ばせる特性もあります。
 
ストレッチ性
 ナースや作業療法士などは、業務中に手足を大きく動かす動作をとることがあります。
 そのような動作がスムーズにとれるように、伸縮性にすぐれた素材を用いた白衣です。
 メディカルウェア業界に参入したスポーツウェアメーカーがリリースしているものもあります。
 
抗菌性
 亜鉛系や銀イオン系など、無機抗菌剤を織り込んだ繊維を使います。
 MRSA(メチシリン耐性ブドウ球菌)、黄色ブドウ球菌、肺炎桿菌などに作用して細胞膜を破壊し、増殖を抑制します。
 以前は、人によっては皮膚炎症を起こすこともありましたが、最近は抗菌剤の安全性が高まり、障害を起こすことは少なくなりました。
 防臭性も兼ね備えます。
 「SEKマーク」による認証制度があり、抗菌性能の目安になります。
 
制電性
 制電糸を用いた白衣で、空気が乾燥した環境でも静電気を帯電しにくいようになっています。
 ほこりや菌を吸着しにくく、静電気による医療機器への悪影響も避けられます。
 
透け防止
 白い服にはアンダーウェアのラインが透けやすいという弱点がありました。この弱点をカバーする、透け防止素材を用いた白衣があります。
 裏地の布の明度を低くすることで透けを防止するものもあります。
 
防汚性
 汚れがつきにくい加工をほどこされた白衣です。撥水性を持つものもあります。
 
防縮性
 洗濯しても縮みにくい性質を持たされた白衣です。
 
吸汗性
 汗をすばやく吸い取り、肌へのべたつきを押さえる素材で作られた白衣です。
 
防水性
 撥水性のある繊維で作られた白衣です。蒸れないようにごく小さな穴をたくさん開け、通気性を持たせたものもあります。
 
軽量性
 薬品などに対するバリア性が必要な白衣は、やや厚手の布で作られる傾向があります。
 厚手であっても軽量な白衣もリリースされています。長時間着ていても疲れにくくなっています。
 
収納、各種ポケット
 医師もナースも、診察室や病室でペンを使う機会は非常に多いため、ペンをさすことができるポケットはほとんどの白衣にそなわっています。
 このほか、PHSや携帯電話を入れられるポケットがそなわったものもあります。PHSや携帯を取り出しやすいよう工夫されています。
 ドクター向けの白衣では、聴診器のチェストピースを納めるポケットが付いているものもあります。
 職種によってはタブレットPCを持ち運ぶ場合もあり、それに対応したポケットを用意したものもあります。
 特殊なものとしては、処置を録画・録音できるよう、スマートフォンなどを胸元に固定できるポケットもあります。